インスタグラムや雑誌、店舗で気に入った商品を撮影やスクショして保存しているユーザーは多くいます。そんな手元の画像から類似する商品を検索できるのが「画像検索」です。特にファッションは、本や音楽のように商品名にあたるタイトルがきちんと決まっていなかったり、ユーザーが商品名に使われているファッションの専門用語を知らなかったりするため「画像検索」と相性が良いと言われています。
今回は、国内・海外でファッションを取り扱うECサイト、およびメディアサイトにおける「画像検索」の事例をまとめました。
Contents
ユニクロ
商品検索の画面にて、キーワード検索窓の下にカメラマーク「画像で探す」と表示しています。画像をアップロードすると、調べたい商品のエリアを自分で選択できるようになっています。
マガシーク
メニュー一覧の中にある「画像から探す」から遷移すると、左側のページに行きます。画像をアップロードすると、ブラウスやヒールなどアイテムを分類し、それぞれに類似する商品を検索することができます。
メルカリ
検索メニューに行くとキーワード検索窓にカメラボタンが付いています。画像をアップロードすると類似する商品一覧が表示されます。今回デフォルトではスカートが選択されましたが、手動でトリミングの対象をトップスに変更すれば、トップスも検索することができました。
また、メルカリでは出品時にも画像解析技術が使われており、出品アイテムの登録の手間を軽減させています。
ベイクルーズ
キーワード検索窓の横にカメラボタンがあります。画像から抽出されたアイテムが表示され、トップスやバッグの検索結果に切り替えることも可能です。
シップス
検索メニューへ行くと、キーワード検索窓の下にカメラマークと「写真から商品を探す」という説明が表示されています。フォーカスしたいアイテムにエリアのボックスを移動させ、OKのボタンを押すと似ているアイテムの一覧が表示されました。
fartech
画像検索メニューはアプリに導入しています。検索メニューにカメラマークがあり、写真をアップロードするとアイテムのカテゴリが表示されます。パンツを選択すると、右側の検索画面になります。
ZARA
画像検索メニューはアプリに導入しています。画像をアップロードすると、アイテム別に画像が切り取られ、検索結果一覧が表示されます。
ASOS
画像検索メニューはアプリに導入しています。自分で画像をトリミングします。今回の場合、プリーツは解析されましたが、色はブラックが上位に表示されました。ホワイトのボトムスもありましたが、プリーツやミモレ丈とったシルエットが似ていなかったためのようです。
H&M
画像検索メニューはアプリに導入しています。キーワード検索窓の横にカメラマークがあります。自分でフォーカスを合わせるタイプのUIです。
Taobao(淘宝)
今回は、手机淘宝というアプリを利用しました。検索窓の横にカメラマークがあり、タップすると左側の画面になります。
ちなみにこのアプリはARなど他の機能も付いていて、ファッションの着せ替え機能だけではなく、バーチャルコスメではリップやつけまつげ、ヘアカラーが試せたり、サングラスの試着もできたりします。動画も様々なところで使われています。
LINEショッピング
キーワード検索窓の右側にある四角のボタンをタップすると、LINEアプリ内のLINEショッピングへ遷移します。画像の上に表示された四角ボタンから別の商品を検索することもできます。
楽天ファッション
https://brandavenue.rakuten.co.jp/
検索メニューに「画像から探す」があります。今回のスナップ写真では、トップスのみが抽出されたようでボトムスは検索できませんでした。
他と違う点としては、商品画像の下に「この画像で再検索」があり、気になる商品を次々と選んでいくことができます。
WEAR
「WEAR」は、ZOZOが運営するファッションコーディネートサイトです。虫眼鏡マークの検索メニューに進むと「手持ちの画像から探す」があります。アップロードした画像がトリミングされ、カテゴリ別に表示されます。
StyleHint
「StyleHint(スタイルヒント)」は、ファーストリテイリングが運営するファッションコーディネートサイトです。左画面の右下にカメラと虫眼鏡マークがありますが、そこから画像検索が可能です。StyleHintは、コーディネートアプリのためアイテム以外に着こなしも検索できるようになっています。
また、自分のスナップ写真をStyleHintにアップする際にも画像解析技術が使われており、アイテムの登録がしやすいUIが設計されています。
eBay
画像検索メニューはアプリに導入しています。トップス・ボトムスともにホワイト系だったためかワンピースと解析されました。色はホワイト系のものも多く表示されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
(日本からアクセスしましたが)海外ではアプリのみに実装しているところが多かったです。
ちなみに、今回「Amazon」のアプリに実装されている画像検索も使ってみましたが、うまく解析ができず「条件に合う商品を見つけることができませんでした」と表示されました。私がいくつか身の回りのものでトライしたところ、Amazonの画像検索はマウスやマグカップなどの物体は得意なようですが、ファッションスナップは得意ではないようでした。
このことからもわかるように、ユーザーが使いやすい画像検索サービスにするためには2つの条件が必要となります。
- 画像解析精度…自社の取り扱いカテゴリをきちんと解析できるできること
- リコメンド…類似する商品を複数取り扱っていること
これがクリアできれば、検索結果が0件でユーザーをがっかりさせることもないかと思います。
また「ZOZOTOWN」は以前、スマートフォンサイトにカメラマークがあり画像検索が可能でしたが、2020年8月末時点では表示されていませんでした。
「WEAR」と「StyleHint」は、コーディネートサイトですがECサイトと結びつきが強く、ECサイトで販売している商品を結果に表示するためご紹介させていただきました。メルカリもそうですが、ユーザーが画像をアップロードする機能の一部に画像解析技術が使われていると、画像のタグ付けなどの作業が簡単になって利便性が向上します。
今後はECサイトの商品検索機能としてだけではなく、店舗やSNSなど別の場所とユーザーの動きをうまく結びつけることで、画像解析の活用の幅が広がってきそうです。
弊社ニューロープも画像検索のサービスを提供していますので、お気軽にご相談ください!
#CBK encyclopedia編集チームの公式アカウント。
内部情報、業界情報を発信していきます!